造園での石積みとは何か?違いや種類と施工の魅力を徹底解説

query_builder 2025/05/18
著者:有限会社村山造園
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「石積みって何?」「自分の庭に合う積み方はどれ?」そんな悩みを感じたことはありませんか。


造園の中でも石積みは、景観だけでなく排水や土留めといった機能面も重視されるため、施工方法や価格に大きな差が出ます。


この記事では、石積みの種類と費用相場をわかりやすく整理し、見積もり時の注意点や費用を抑えるヒントまで専門的に解説しています。施工前の不安を解消したい方は、ぜひご覧ください。

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有限会社村山造園は、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県のお客様を対象に、庭園工事や樹木の剪定、伐採、ガレージ工事など、多岐にわたる造園サービスを提供しております。​お客様のご要望に合わせて最適なデザインや施工を行い、樹木の大きさを問わず対応いたします。​また、害虫の住み家とならないよう配慮した剪定や、庭全体の年間管理も承っております。​経験豊富な職人が丁寧に施工し、ご満足いただける仕上がりをお約束いたします。

有限会社村山造園
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住所 〒133-0043東京都江戸川区松本2丁目2-7
電話 03-5678-9726

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石積みとは何か?・庭づくりにおける役割とその魅力

庭づくりにおいてよく混同されがちな石積みと石張りは、その目的や施工方法に明確な違いがあります。石積みとは、石を縦に積み上げて構造物を形成する工法で、主に土留めや境界、景観形成などに使われます。一方、石張りは石材を地面や壁に平らに並べて張り付ける工法で、舗装や外壁、床材としての用途が中心となります。構造としての強度や立体感が求められる場合には石積みが選ばれ、装飾や機能性を重視する場合は石張りが選択される傾向があります。


石積みは、古来より日本庭園において景石や土留め、囲いなどに使われてきた技術であり、石組みの構成によっては高い耐久性と排水機能を持つことができます。近年ではドライストーンウォーリングといった欧州起源の施工法も人気が高まっており、モルタルを使わず自然の石の形状を生かして積み上げる技術に注目が集まっています。


石張りに比べて施工には高度な技術と時間が必要となるため、費用面ではやや高額になることがありますが、そのぶん景観へのインパクトや経年変化による味わい、構造物としての機能性は石張りでは得られない魅力です。


以下に、石積みと石張りの違いを整理します。


項目 石積み 石張り
主な用途 土留め、囲い、景観構成、立体構造 舗装、壁面、床装飾
使用場所 庭園の段差・境界・花壇・斜面など アプローチ、テラス、外壁など
構造 立体的に積み上げます 平面に石を貼り付けます
耐久性 高い(排水性・通気性に優れています) 中程度(防水や目地施工が必要です)
費用感 やや高額(手作業・技術力が必要です) 比較的安価です


さらに、石積みは素材の形状や色合いを活かしながら施工するため、使用する石材選びも重要となります。野面石や割栗石、寒風石など、地域性のある天然石を使うことで、庭の印象に個性が生まれます。石張りは形や厚みの整った石材が多く使われ、均一感や整然とした印象があるため、モダンな住宅や商業空間にもよく調和します。


このように、それぞれの工法の特性を理解し、庭の目的やデザイン、維持管理のしやすさなどを総合的に考えて選ぶことが重要です。


石積みの象徴的な意味


石は、日本庭園において単なる構造物や装飾物ではなく、精神性や自然観を体現する重要な要素として扱われてきました。石積みや石組みの技法は、ただ見た目を整えるものではなく、「不動」「永続」「調和」といった象徴的な意味を含み、そこに込められた思想や哲学を読み解くことができます。


例えば、枯山水に見られるような石の配置は、水や山、島などの自然景観を象徴的に表現しています。中でも三尊石組は仏教に由来し、中央に主尊石、左右に脇侍石を配置することで仏の世界観を表現しています。また、蓬莱山を表現する蓬莱石組では、不老不死の理想郷を表し、訪れる人々に永遠性や安心感を与えます。


石の形状や大きさ、据え方にも深い意味があります。例えば立石は力強さや成長を、臥石は落ち着きや静けさを、伏石は控えめさや謙虚さを表現するとされており、組み合わせによって庭全体のストーリー性が生まれます。


このような石の文化的背景を理解した上で、石積みや石組みを施すことは、単なる造園行為を超えた「場の精神性」を築く行為とも言えます。現代においても、この伝統的な価値観は見直されており、都市部の小さな庭でも、象徴的な意味を込めた石の使い方に注目が集まっています。


石積みがもたらす庭の景観効果と風水的意味


石積みには視覚的な美しさだけでなく、心理的な安心感や風水的な運気改善の効果が期待されています。石は自然の中でも長い年月を経て形成される存在であり、庭に据えられることで空間に重さや落ち着きを与える役割を果たします。


特に近年注目されているのが、風水の観点からの石積み活用です。風水において石は土の気を持つとされ、庭に安定感とエネルギーの流れをもたらします。石の形状や配置は気の流れを整え、邪気を防ぎ、家庭運や健康運の向上につながるとされています。

以下は、風水的に良いとされる石積みの配置例です。


配置例 風水的効果 注意点
北西に大きな立石を置く 家長運・出世運の向上 障害物が多いと気が乱れます
南東に丸みのある石を配置 人間関係・調和を育みます 尖った石は避けることが望ましいです
中心に低く平たい石を据える 安定感・安心感の強化 高すぎると圧迫感が出る可能性があります


石積みによる実用的意味


また、石積みによって高低差をつけることで、空間に立体感とリズムが生まれ、単調になりがちな庭に変化を加えることができます。これは視覚的効果にとどまらず、庭全体の奥行きや広がりを演出し、実際の面積以上の開放感を生み出すテクニックです。


造園の観点からも、石積みは斜面や花壇、土留めとしての実用性が高く、雨水の流れや地形の変化に強い構造を作ることができます。こうした機能性と美観性を兼ね備えている点は、現代の住宅事情にも非常にマッチしており、省スペースで効率的に空間を演出することが可能です。


石積みは、ただの装飾ではなく庭の表情を決める骨格として機能します。視覚、機能、精神性のすべてを兼ね備えた造園技法として、今後もその需要は高まっていくことでしょう。庭づくりにおいて石をどう使うかは、空間の完成度を大きく左右する決定的な要素です。

石積みの主な種類と特徴!最適な技法を選ぶには

野面積み


野面積みは、日本の伝統的な石積み技法のひとつとして、今でも多くの造園や外構で用いられています。この技法では、自然のままの形を保った石を使用し、加工せずに積み上げていくのが特徴です。人工的な加工を最小限にとどめるため、自然の風合いや質感がそのまま残り、庭全体に落ち着いた雰囲気をもたらします。


ただし、自然石を積むには高い技術力が必要で、熟練した職人でなければ美しく安全に仕上げるのは難しいでしょう。石の選び方、向き、バランスといった一つ一つの判断が仕上がりを大きく左右します。コストは多少かかりますが、完成後の美しさと自然な印象を重視する方にとっては、非常に満足度の高い工法といえます。


切石積み


切石積みは、加工された石を使用して構造物を形成する石積み技法で、住宅の外構や公共施設など、整った印象を与えたい場面に最適とされています。石材はあらかじめ均一な大きさや形に切断・加工されており、施工時にはそれらを規則的に積み上げていきます。この方法により、完成後の外観は非常に整然としており、モダンな印象を持つ庭やファサードとの相性が良いという特長があります。


ただし、自然石を加工する分、材料費や加工費が野面積みに比べて高くなる傾向があります。また、自然の風合いという点ではやや人工的な印象を与えることもあるため、柔らかさやナチュラルな雰囲気を求める方には不向きかもしれません。


施工後のメンテナンスは比較的容易で、目地や接合部分がきれいに整えられるため、経年による見た目の劣化が少ない点もメリットといえるでしょう。高級感とクリーンなデザインを重視する方には、切石積みが大きな魅力を発揮します。


空積み


空積みとは、モルタルなどの接着材を使用せず、石そのものの重みと形状を活かして積み上げていく石積み技法です。別名ドライストーンウォーリングとも呼ばれ、欧米では古くから用いられてきましたが、近年では日本の庭づくりにも自然な風合いと機能性を求める声に応える形で注目されています。


積み構造の内部に水分がたまりにくくなり、長期的な耐久性にも優れるという利点があります。また、構造物に柔軟性があるため、地震などによる衝撃にも強く、揺れに対して柔軟に対応することができる点も評価されています。


一方で、石材選びと積み上げる際の技術には高度な判断力が求められ、誰でも簡単にできるというものではありません。費用面では、材料の加工が不要な分安く抑えられる場合もありますが、施工に時間がかかるため、トータルでは一般的なモルタル積みと同等、またはやや高額になることもあります。

施工の流れと注意点 石積み工事の進め方と失敗しないためのコツ

石選び〜基礎作り


石積み工事は、見た目の美しさと同時に、安全性と耐久性が求められる作業です。そのため、段階的に慎重に進めていくことが重要になります。最初の工程は、使用する石の選定です。石には天然の野面石、整形された切石、風化が進んだ玉石などがあり、それぞれに特性があります。石積みの目的が土留めであれば、重くて安定感のある石を選ぶ必要がありますし、景観を重視する庭づくりであれば、見た目の風合いや色味を重視して選ばれることが多くなります。


次に行うのが、基礎作りの準備段階です。これは見た目には現れませんが、石積み全体の安定性を左右する非常に重要な工程です。地面を掘削し、転圧してから砕石や割栗石を敷き、水平を取りながらしっかりと踏み固めます。この基礎層がしっかりしていないと、後に積んだ石が沈んだり傾いたりする原因になります。特に雨水の流れや地盤の性質を考慮し、水はけが悪い土地では排水処理をあらかじめ行っておく必要があります。


石を積み上げる


基礎が完成したら、いよいよ石を積み上げる段階に入ります。このとき最も重要なのが「石読み」と呼ばれる技術です。これは、石の形状、重心、向き、表情を見極め、どの位置にどの石を置けば全体のバランスが取れるかを判断する職人技です。大きな石を下に、小さな石を上にという基本原則のもと、石と石がしっかりと噛み合うように積んでいきます。すき間ができた場合には、間に小石を詰めて安定させる処理も行います。


施工工程が進むにつれて、全体のラインや傾斜がずれていないか、こまめに水平器や水糸を使って確認することも欠かせません。これを怠ると、全体が傾いてしまい、積み直しが必要になることもあります。また、気温や天候にも注意が必要で、雨天時や凍結が予想される期間中の施工は避けたほうが賢明です。


排水計画も同時進行で


続いて、排水計画も同時に進行させる必要があります。石積み構造は、表面からの水の侵入に対して強くないため、裏込め材に砕石や透水性の高い素材を使用し、背面からの水圧を逃がす仕組みが求められます。排水が滞ると、内部に水がたまり、凍結膨張によって構造にひびが入るリスクが生じます。また、雨天が続いた場合に水の逃げ場がないと、石の間に泥が詰まり、目詰まりを起こして構造全体が緩む危険もあります。


具体的な排水対策としては、背面に水抜きパイプを設置する方法が一般的です。これは、壁面の背後にたまった雨水を外に逃がす機能を持ち、特に土留めや高低差のある場所では必須の処置とされています。また、施工面の下に勾配をつけて自然排水を促す技法も効果的であり、排水設計は視覚的には見えないものの、最終的な耐久性に大きな影響を及ぼします。

石積みの費用はどう決まる?

石積み工事を検討する際に、もっとも気になるのが費用です。特に外構や庭の造園においては、面積あたりの単価や工法の違いによって見積もり額が大きく変動するため、あらかじめ相場を把握しておくことが重要です。


まず、もっとも基本的な価格設定の基準となるのが「1平方メートルあたりの施工単価」です。さらに、特注の石材や輸入石を使う場合には、これに材料費が加算されることで、総額はさらに膨らむことになります。


施工面積が広がると単価はやや割安になる場合もありますが、これはあくまで職人の作業効率が上がることによるものであり、必ずしも安く済むとは限りません。斜面や高低差のある地形では、土工事や排水設計などが追加されるため、想定より費用がかさむケースも珍しくありません。現場までのアクセスが悪い、重機の搬入が困難、石材の搬送距離が長いなどの条件もコストに直結します。


施工単価に含まれる主な内訳は、まず石材費と人件費です。特に高度な技術を持つ職人による施工は、当然ながら単価も高くなります。また、基礎工事費、排水処理、搬入費、残土処理費、養生費などの諸経費も忘れてはなりません。最終的な見積もりには、こうした細かな項目が積み重なってくるため、見積書の明細は必ず確認するべきです。


実際に石積みを依頼する際には、業者ごとに提示する価格が異なるため、複数社から相見積もりを取ることが推奨されます。単価の安さだけで業者を選ぶと、品質面で不安が残る場合があるため、過去の施工実績や対応力、アフターサービスの有無なども含めて判断する必要があります。価格に納得できるかどうかは、ただ金額を比較するだけでなく、施工内容とのバランスを見極めることが大切です。

まとめ

石積みは見た目の美しさだけでなく、排水性や耐久性といった実用面でも優れた造園技法です。特に野面積みや空積みといった技法では、自然石の風合いを生かしながら、経年変化を楽しめる庭づくりが実現できます。これらの施工法は高度な技術を要しますが、その分、他にはない独自性と存在感を演出することができます。


費用面では、地域性、施工面積、石材の種類、職人の技術などによって大きく金額が変動するため、事前に複数業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。最新情報に基づいた費用相場を把握しておくことで、予算オーバーや後悔を未然に防ぐことができます。


石積み工事で失敗を避けるには、施工前の基礎作りと排水設計に十分な配慮をする必要があります。地盤調査や勾配設計を怠ると、施工後に傾きや崩壊のリスクが高まるため、見えない部分こそ丁寧な設計が求められます。また、見積書には石材費、施工費、排水処理費、搬入費などが含まれるため、細かな項目まで目を通すことが不可欠です。


石積みは単なる構造物ではなく、庭という空間全体に深みと品格を与える存在です。美しさと実用性を兼ね備えた庭をつくるために、施工法、費用、業者選びをしっかりと見極め、自分に最適な選択をしていきましょう。

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よくある質問

Q. 石積みと石張りは何が違うのですか?どちらを選べばいいのでしょうか?
A. 石積みと石張りは見た目や施工方法だけでなく、役割そのものが異なります。石積みは主に庭の土留めや斜面の補強、景観形成に使われ、縦方向に積み上げて立体的な構造物をつくります。一方、石張りは石を平らに敷き詰める工法で、アプローチやテラス、外壁などの装飾に適しています。費用面では石積みの方が技術や手間がかかるため高くなる傾向がありますが、耐久性や風水的な効果、自然との調和を重視する方には石積みが適していると言えるでしょう。庭の用途やデザインに合わせて、両者の特徴を把握したうえで選ぶことが大切です。


Q. DIYで石積みをする場合の費用とリスクはどの程度ですか?
A. DIYで石積みを行う場合、材料費は石材の種類によって費用を抑えられることもありますが、道具や排水資材、土木基礎に必要な砕石などを加味するとトータルでは業者に依頼するのと変わらない場合もあるので注意が必要です。また、モルタルや空積みなど工法ごとの特徴を理解していないと、崩壊や傾きといった失敗につながるリスクも高くなります。特に空積みは見た目以上に技術が必要な工法で、排水不良による構造劣化や転倒事故の危険もあります。安全で美しく仕上げたい場合は、DIYは小規模で挑戦し、大規模な施工はプロの造園業者に依頼することを推奨します。


Q. 石積みは地域によって費用や使われる石が変わるのですか?
A. はい、石積みは地域の地質や石材の流通状況、造園の文化的背景によって大きく異なります。たとえば、木曽地方では御嶽石、香川県では庵治石などが使われ、素材の希少性や採掘コストによって価格も変動します。また、地域によって施工業者の技術レベルや得意とする工法が異なるため、費用も1㎡あたり数千円単位で違いが出る場合があります。現時点では、都市部では人件費が高くなる傾向があり、地方では石材の調達コストが下がる一方、搬入経路の整備状況によっては追加費用がかかることもあります。予算に合った最適なプランを立てるには、地域密着の施工業者に相談し、複数の業者から見積もりを取ることが効果的です。

会社概要

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